2PDF｜

2025.11.30

未分類

0. 2PDF の全体像

役割：
Office／画像／PDF など275以上の形式を 一括でPDF / PDF/A に変換 するコマンドラインツール2PDF+1
実行方法：
- コマンドプロンプト / PowerShell
- バッチファイル（.bat）
- タスクスケジューラ
- 自作アプリから呼び出しなど2PDF
高度な機能：
- OCRで検索可能PDF
- しおり単位で分割
- 透かし・バーコード・QRコード
- グレースケール化・リサイズ・トリミング
- 変換後に元ファイルを自動移動/削除（-postproc）2PDF+1

1. コマンドラインの基本構造

1-1. いちばん基本の形

2PDF.exe -src "C:\In\*.*" -dst "C:\Out"

-src … 変換元（フォルダ、単一ファイル、リスト、URLなど）2PDF
-dst … 変換先フォルダ

これに -options, -pdf, -oper, -postproc などを追加していきます。2PDF

2. 2PDF Settings（GUI）の開き方と考え方

2-1. Settings の開き方

2PDF.exe -ini

これで「2PDF Settings コントロールパネル」が起動します。
ここで設定した内容は デフォルト値 として保存され、
毎回コマンドに長いパラメータをつけなくても済むようになります。2PDF

GUIで設定 → [Export] で .ini を保存
コマンドから使うときは：

2PDF.exe -src "C:\In\*.*" -dst "C:\Out" -inipath "C:\Configs\myjob.ini"

2PDF+1

2-2. Settings で触れる主な項目（ざっくり）

GUIの中身は、コマンドラインの以下を視覚的に設定するイメージです：

General / Options 相当（-options）
- ページ範囲
- サブフォルダの処理（scansf / keepsf）
- 上書き／スキップ
- 出力ファイル名テンプレート
- ログの有無・保存場所など
PDF 相当（-pdf）
- PDF / PDF/A
- 結合（multipage: append / prepend）
- OCR（検索可能PDF）
- 最小サイズ（min_size）など
Operations
- autorotate / rotate（回転）
- crop（トリミング）
- grayscale（グレースケール）
- resize（サイズ変更）
- rasterize（ラスタライズ）
- watermark / textwatermark / textannotation（透かし）
- paint（枠線）
- removeblankpages（白紙削除）
- split by bookmarks など2PDF+1
Post-processing
- 変換後のファイル移動・コピー・削除（-postproc）

3. 主要スイッチと「設定」の意味

3-1. -src（変換元）

-src "C:\In\*.*"        フォルダ（*.*で全ファイル）
-src "C:\In\test.docx" 単一ファイル
-src "@C:\list.txt"    ファイル一覧を記載したTXT
-src "@C:\list.xlsx"   Excel/CSV でリスト指定
-src "https://..."     URL（WebページをPDF化）:contentReference[oaicite:8]{index=8}

フォルダパスは 必ずワイルドカード（例 *.*）が必要。
@ 付きは「このファイルの中に変換対象のパス一覧が書いてある」という意味。

DOCだけ変換したいのに DOCX も拾ってしまうときは
-options mswildc:no で Windowsの特殊ワイルドカード挙動をOFF。2PDF

3-2. -dst（変換先）

-dst "C:\Out"

ここに出力PDFがどんどん生成されます。2PDF

4. -options：共通オプション（Settingsの「General」的な部分）

-options の後に細かいパラメータを並べていきます。2PDF

よく使うもの一覧

4-1. ページ範囲・サブフォルダ

-options pages:1,3,5-12
-options pages:1,5,last2,last1,last    ←後ろから指定もOK
-options scansf:yes keepsf:yes

pages: … 変換するページを指定（複数指定可）
scansf:yes … サブフォルダも再帰的に処理
keepsf:yes … サブフォルダ構造を出力側にも維持2PDF

4-2. 上書きと複数ファイルマージ時の挙動

-options overwrite:yes          ←既存PDFを上書き
-options overwrite:skip         ←既存があればスキップ
-options ocf:createseparate     ←結合モード時の処理（別ファイル作成）

overwrite: … 通常の上書きルール
ocf: … -pdf multipage:append や prepend を使うときの特別ルール2PDF

4-3. ファイル名テンプレート

-options template:"{*SrcFilename}-{*SrcFileMPageNo}.{*DstFileExt}"

使えるマクロ例：2PDF

{*SrcFilename} … 元ファイル名
{*WorksheetName} … シート名（ExcelやCAD）
{*SrcFileMPageNo} … ページ番号
{*DstFileExt} … 出力拡張子（pdf）

4-4. パスワード付きPDF

-options srcpwd:123456                 ←入力PDFのパスワード
-options srcpwd:"pw1" srcpwd:"pw2"    ←複数パスワード
-options dstpwd:987654                ←出力PDFをパスワード保護:contentReference[oaicite:15]{index=15}

4-5. ログ・エラー制御

-options break_on_error:yes             ←エラーが出たら停止
-options log:yes logpath:"E:\2PDFlog"   ←XMLログ
-options reslog:"C:\log\session.txt"    ←1行サマリログ
-options export_path:"C:\2PDF Logs"     ←設定＋ログ一式をZIPで出力
-options silent:yes alerts:no           ←画面を出さずに静かに実行

運用ディレクションに渡すとき、「export_path」でセット丸ごとZIP出力できるのが便利です。2PDF

5. -pdf：PDFフォーマット関連（Settingsの「PDF」タブ的な部分）

5-1. マルチページ／結合

-pdf multipage:new        ←通常：1ファイル→1PDF
-pdf multipage:append     ←既存PDFの末尾に追加
-pdf multipage:prepend    ←既存PDFの先頭に追加:contentReference[oaicite:17]{index=17}

5-2. サイズ最小化（Word → PDF）

-pdf min_size:yes

DOC/DOCX→PDF時に30〜40%程度サイズを小さくする機能。2PDF

5-3. OCR（検索可能PDF）

-pdf ocr:yes ocr_lang:Japanese

画像やスキャンTIFF、JPEG等から検索可能PDFを作成。
ocr_lang: は複数指定も可能（English, German, Japanese など）。2PDF

6. -oper：ページ加工・透かしなど（Settingsの「Operations」）

-oper は「別途実行する操作」を追加します。複数指定可。2PDF+1

代表的なもの

6-1. 回転・自動回転

-oper autorotate orientation:portrait direction:ccw
-oper rotate angle:90

autorotate … 自動判定で縦横を揃える
rotate … 指定角度で強制回転2PDF

6-2. トリミング・グレースケール・サイズ変更

-oper crop method:margins left:10 top:5 right:10 bottom:5 units:mm
-oper grayscale
-oper resize width:800 height:600 units:px
-oper rasterize

crop … 余白カット（margins / autocrop など）
grayscale … 白黒化
resize … サイズ変更
rasterize … ラスタライズしてファイルサイズ圧縮2PDF

6-3. 透かし・テキスト注釈・バーコード

-oper textannotation text:"Confidential" halign:left valign:top
-oper watermark image:"C:\logo.png"
-oper textwatermark text:"Sample"

さらに URL を付けて クリック可能な透かし にすることもできます：

-oper textannotation text:"ChatPressJapan" url:https://chatpressjapan.com

2PDF

バーコード/QRコードは Settings の「Barcode watermark」からGUIで設定し、
コマンドではそのプロファイルを使う、という使い方もできます。2PDF+1

6-4. 白紙ページ削除・枠線

-oper removeblankpages
-oper paint cmd:drawrect rect:"150 200 500 500" ...

removeblankpages … 白紙検出パラメータを調整して自動削除
paint … ページに枠線・塗りつぶし四角形を描画2PDF

6-5. しおりで分割・しおり作成

-oper split_mode:bybookmarks … PDFをしおり単位で分割
keep_bookmarks … もとのしおりを保持するかどうか
Settingsで「New file bookmarks title template」を {srcfilename}.{srcfileext} にすると、結合時にファイル名から自動しおりを作成。2PDF

7. -postproc：変換後の自動移動・削除

バックアップや業務フローにはかなり重要なスイッチです。2PDF+1

2PDF.exe -src "C:\In\*.*" -dst "C:\Out" ^
  -postproc passed:copy passed_dir:"C:\Done"

passed: … 正常に処理されたファイルの扱い
- copy / move / delete など
passed_dir: … 上記を行うフォルダ

例：

「処理完了後、元ファイルを C:\Done に移動」
→ passed:move passed_dir:"C:\Done"

これも GUI（2PDF Settings）側から有効化できます。おとなの学習塾+1

8. おすすめ設定例（実務イメージ）

例1）毎日 In フォルダのファイルを PDF にし、終わったら Done に移動

2PDF.exe -src "D:\In\*.*" -dst "D:\Out" ^
  -options scansf:yes keepsf:yes overwrite:yes log:yes logpath:"D:\Logs" ^
  -pdf min_size:yes ^
  -postproc passed:move passed_dir:"D:\Done"

例2）スキャン画像を「日本語OCR付き検索可能PDF」にして保存

2PDF.exe -src "E:\Scan\*.tif" -dst "E:\Scan\PDF" ^
  -pdf ocr:yes ocr_lang:Japanese ^
  -options res:300 overwrite:yes

例3）複数のドキュメントを1本のPDFに結合し、ファイル名でしおりをつける

2PDF.exe -ini で Settings を開き、
- PDF > 「New file bookmarks title template」を {srcfilename}.{srcfileext} に設定して保存。2PDF
コマンド：

2PDF.exe -src "C:\In\*.*" -dst "C:\Out" ^
  -pdf multipage:append ^
  -inipath "C:\Configs\with_bookmarks.ini"

9. 権限まわり（管理者でないと動かない？）

2PDF 自体は 普通の実行ファイル なので、「管理者必須」ではありません。
ただし以下は注意：
- ネットワーク共有フォルダを -src / -dst にする場合 → そのユーザーにアクセス権が必要
- タスクスケジューラで動かす場合 → 実行アカウントに権限が必要
FolderMill（サービス動作）と違って、2PDF単体は「サービス」としては動かず、
好きなユーザー権限で起動する形になります。2PDF+1